超音波内視鏡(EUS)

超音波内視鏡(EUS

EUSは超音波装置を内蔵した内視鏡を用いて胃や十二指腸の病変の深達度や質的診断を行ったり、胆・膵・リンパ節などを体外式超音波検査より病変に近い胃や十二指腸から観察したり、生検を行う検査方法です。

EUSは10数年程前から実用化されましたが、一部の大学病院などで行なわれているのみでした。その後、徐々にその有用性が認識され、基幹病院には普及していますが、未だ一般的な検査とは言い難いのが現状です。胆膵疾患や消化管間質性腫瘍(GIST)などの消化管粘膜下腫瘍、リンパ節などの精密検査に非常に重要な検査で、EUSを行っていない病院は膵癌を専門とするとは言えない時代になりつつあります。200から250人の方の検査を担当すると、大体の診断ができるようになります。その病院で年に何件検査を行っているかを知れば、おおよその実力がわかると思われます。

EUSは高い解像度を持ち、造影CTなどではっきりと指摘できない膵腫瘍やMRIで検出できない小さな総胆管結石を描出することが可能です。また、画像だけでは確定診断が困難な病変に対して経胃または経十二指腸的に生検(EUS-FNA)を行い、組織学的な確定診断を得ることが可能です。

造影CTでは確認できなかった1cmの腫瘍がEUSで確認され、観察後の生検(EUS-FNA)で膵癌の確定診断がついたため、膵頭十二指腸切除術を行い、術後数年経ち、再発なく御元気な方もいらっしゃいます。

その他にも、例えば、今までは確定診断を得るために開腹生検を行っていたリンパ腫や術前の組織診断が困難であった粘膜下腫瘍などに対しても診断に十分な量の検体を採取することが可能となっています。

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